活動日記  

県・県教育委員会・ならチャレンジドの恊働事業「地域社会で生きる!」特別支援生徒の社会参加および就労支援

活動日誌 2018年 9月

2018年9月1日

医療・就労・アートをつなぐフォーラム(第1部)

●2018年9月1日 ●県立医科大学 大講堂
【テーマ】医療現場で活躍する特別支援学校生徒、卒業生たち
【主 催】奈良県立医科大学、奈良県立高等養護学校、NPO法人ならチャレンジド

古家仁 奈良医大病院長

荒井正吾 奈良県知事


岸本亜矢子さん(明日香養護学校卒) 

白砂春香さん(高等養護学校卒)


益井慶太さん(高等養護学校2年)

山田悠揮さん(西和養護学校2年)


山口真生さん(奈良西養護学校2年)

高等養護学校ダンス部


◆福田 菜々美さん(奈良県立医科大学附属病院/高等養護学校卒)

 わたしは、奈良県立医科大学障害者雇用推進係で働いている福田菜々美です。
 平成26年4月から1年間、奈良医大の学内保育園助手をしていました。子供が大好きでした。
 そのあと、医大病院の小児センターや小児科外来のへきめんかざりを作っていました。
27年10月頃に妊娠している事がわかり産休をとり、この5月復帰してきました。今は、婦人科で仕事をしています。
 産休をとり医大に仕事復帰しようと思ったのは、みなさんすごくいい方々がいてるのと、医大の中でも自分に合った仕事ができ、仕事に対して思っている事を相談すると改善して下さり働きやすいように考えてくれるからです。
 これから、もっと仕事場で頼りにしてもらえるように頑張りたいです。



◆野村 洸希さん(奈良県立医科大学附属病院/高等養護学校卒)

昨年、こうとうようご学校卒業後、奈良県立医科大学附属病院障害者こよう推進係で働いています。
今やっている仕事は、タオルたたみとひもつけをしています。タオルたたみが早く終わったら、シュレッダをてつだっています。
仕事はたのしく、がんばっていっしょうけんめいやっています。
これからもいろんな仕事をしたいです。



◆岸本 亜矢子さん(明日香養護学校卒)

初めまして岸本亜矢子です。高校2年生のときに交通事故に遭い、頚椎損傷で首から下が不自由です。口に筆をくわえて絵を描いています。よろしくお願いします。

昨年、フォーラムに呼んで頂いて自分のことを結構長々としゃべったのですが、とにかくとてもとても緊張しました。私はなんの肩書きもないし実績もないし、何者でもないので、たくさんの人の前で自分のことを長々と話すのはとても難しかったです。本当に緊張しました。今日もとても緊張しています。
今年、奈良中央信用金庫さんの70周年の定期預金通帳のデザインをさせて頂きました。これは本当に夢がかなったなって感じです。本当にありがたかったです。
私はカレンダーとかを描いて一応それを売ったりさせてもらってるんですけど、ありがたいことにたくさん売れるんですが、たぶんほとんどの人が私の作品そのものというよりは、私のなんかかわいそうな背景の方に引っ張られて、応援してあげようって気持ちでお金を出してくれてるんだろうなと思うと、ありがたいけど、むなしいというかなんだか申し訳ないというか真っ直ぐには喜びきれない気持ちでした。でも中信さんから通帳デザインのお話を頂いたときは、すごく「お仕事をもらった」って感じがして、絶対、誰がどう見てもこの通帳かわいいって思ってもらえるようなデザインにするぞと張り切りました。通帳が出来上がってすぐはいまいちぴんと来なかったんですが、通帳だけでなくいろいろなグッズにもイラストを使って頂いて、周りからもかわいいかわいいと好評で、それでじわじわと実感がわいてきて、「お仕事をした」って感じがして、すっごく嬉しかったです。中信さん、私にお仕事をさせてくれて本当にありがとうございました。

ケガをしてから、私はものすごくネガティブになったし怖がりになったので、ほぼいつでも不安です。朝起きた瞬間からなんか不安です。これからのこととか考えると特に不安です。途方にくれます。
私の今1番の夢というか目標は、働くことです。今までも知り合いの人に頼まれて、Tシャツとかスマホケースとかのちょろっとしたデザインをしたりカレンダー売ったりはしてますが、その辺は仕事っていうよりはなんかバイトとか宿題って感じなので、今の状態で職業なんですかってもし聞かれたら、無職ですって答えるしかないので、自信をもって、イラスト関係の仕事してますって言えるくらい、絵のお仕事をがっつり安定してもらえるようになりたいです。それで家族や友人を安心させたいです。私もそれで安心したいです。

今年のカレンダーは、日本の歳時記をテーマに描きました。日付部分の上のスペースにちょっとした豆知識というかうんちくというか、書いてて、そのネタ集めにそれ系の本を何冊か読んだんですが、意外と知らなかったことをいろいろ知れて楽しかったです。満足です。



◆白砂 春香さん(農業公園信貴山のどか村社員/高等養護学校卒)

私は、昨年、初めて出展させていただいて、今回が2回目の出展になります。今年の作品のテーマは「ブレーメンの音楽隊」です。
 作り方は、まずイラストをハンコに写していきます。その後、ペンカッターで少しずつ彫っていきます。消しゴムは、売られているハンコで1番大きいのを使っていますが、それでは小さいので二つの消しゴムに彫り、それをつなげて作品にしています。
 この作品は、写し書くのも全体的に細かくて難しかったですがこの中でも特に細かかったのはアーチ部分の羽でした。
 そして、今回の作品では余白を平らにキレイに彫るという目標を立てて作りました。
キレイに出来る方法を探したり、今まではしなかったことを新しく挑戦してみました。

 私が消しゴムハンコをしようと思ったきっかけは、中学生の時です。
 趣味を作ろうとしていた頃に親に勧められ、試しに一つ作って見たことです。
 一番最初に作ったのは人に見せても分からないぐらいヒドイ形で、でも何故か楽しくて、5.6個作っていく内にそれなりの形になっていて嬉しくて、当時の先生に見せたら誉めてもらえて、次第に「作って」と頼まれたりもし始めて驚きました。
 高校に入学して初めの挨拶で趣味の話になり、言ってみると、思った以上の反応があり、そこでもいろんな人に「作って」と頼まれて徐々に絵が細かくなっていました。
みんなにハンコを見てもらうようになったのは高校生になってからです。
 文化祭などで展示してもらえることが増えてきて、昨年度、医大のアート展に出させていただきました。
 今までは親しい人たちにしか見せてなかったので、自分で楽しむだけでしたが、多くの人に見てもらえるとようになって、より丁寧に作らなければと思うようになりました。
 これからも医大のアート展に出せるように、下手になってしまわないように、楽しみながらずっと続けていきたいです。
 本日は、本当にありがとうございました。



◆益井 慶太さん(高等養護学校高円分教室2年)

 みなさん、こんにちは。奈良県立高等養護学校、高円分教室の益井慶太です。 僕が描いた作品は、「いつわりの塔」です。「いつわりの塔」とは、入った者の隠していたウソが見破られてしまう塔です。塔の一番上の目は、ウソと真実を見分けて、そのウソの数で、塔に入った者が「悪」なのか、「善」なのかを分けています。「悪」になると、この塔から追い出されるか、この塔の住人になってしまいます。「善」だったら、運気が上がります。絶対上がります!
分けた後、塔は消えて別の場所に移動して、また新しい場所で「悪」と「善」を分けます。そうやってどんどん移動して、最後にはまた同じ場所に戻ります。
僕は、最初は普通の塔を描こうかなと思って描いていました。でも、色々と付け加えるうちに、存在しない塔を描いたらどうなるかなと思い、この作品を描きました。
この絵は、油絵の具と水彩絵の具を使って描いています。影や風景のリアルさを表すために、特に、塔の扉のところの影を薄くしたり、濃くしたりしているところが見所です。
僕は、人や風景の絵がまだ苦手で描きづらいので、これからは、人や風景を描いていきたいと思います。それから、僕は、この塔のように非現実的な世界が好きです。だから、いつか非現実的な世界の風景を描いてみたいという夢があります。
最後になりますが、僕たちの輝ける作品を飾らせていただき、本当にありがとうございます。来年もみなさんに楽しんでいただけるように、これからも作品を作っていきます。本日はありがとうございました。



◆山田 悠揮さん(西和養護学校高等部2年)

西和養護学校 高等部2年の山田悠揮です。
僕は、ウッドバーニングで仏像を描きました。頑張ったところは、背景の点々のところです。点々を描くのに、力を入れながら焼き付けたので腕が痛かったです。
難しかったところは、頭にいっぱいある顔を一つずつ描いていくのが難しかったです。完成したときはすごく嬉しかったです。
このような機会を与えて頂き、有難うございました。



◆山口 真生さん(奈良西養護学校高等部2年)

ぼくは、山口真生です。
奈良西養護学校高等部2年生です。
僕は、絵を描くのが得意です。
僕の絵を見てください。



群馬、長野、東京、大分、京都、大阪をはじめ全国各地から約350人が参加。
荒井正吾知事を迎え、高養養護学校ダンス部のダンスでフォーラムが開会しました。
奈良医大病院で就労する32人が登壇し、代表2人がアピール。生徒、卒業生5人が作品説明、思いを発表しました。
障害のある人たちが就労、アートで活躍し、医療現場で患者さんをはじめ多くの人々へ生きる勇気と希望をもたらしています。

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