活動日記

県・県教育委員会・ならチャレンジドの恊働事業「地域社会で生きる!」特別支援生徒の社会参加および就労支援

活動日誌 2011年 5月

2011年(平成23年)5月12日

県立奈良東養護学校PTA講演会
●講師:当法人理事長 赤川 義之 
 「生きる勇気をいただいて」



3年前からお付き合いさせていただいている、思い入れのある奈良東養護学校。
PTA総会後、講演会が開催される。

【講演概要】
●自分は生きている価値がないと思っていた高校時代
・四国(香川県)、農家の3男に生まれる(1957年)
・「誰も知らない所へいきたい」と東京の大学へ  しかし、不登校となる(1976年)
●ショックをもった「出会い」
・解雇された東京・三鷹市心理カウンセラーとの出会い
   初めて、就学時健康診断を知る。ショックだった!
・小学校門前で就学時健診へきた親子へビラまき
・保育園の入園を断られた親子
   → 1時間半かけて私立へ! バス、電車を乗り継ぐ迎えを私が担う(週2回)
●奈良!子ども会、親の会との出会い
・吉野・大淀町比曽の子どもたちと一緒に喜び、悩み、泣いた(1981年)
   大学を中退し、奈良・比曽に住むことを決める
・ビル管理会社経営へ(1985年)
・県手をつなぐ親の会との出会い(1988年)
   県リハビリセンターで高等養護学校卒業生2名を雇用
   県立教育研究所で1名(ダウン症)を雇用
●生きる!素晴らしを実感
・清掃現場で働く障がいある社員に教えられる
    10年間、皆勤した高等養護学校卒業生
・お客様に教えられる
    「どこの病院よりもきれい」 障がいある社員の〈結果〉が評価される
・次女に「命」を教えられる(1988年)
    先天性の心臓病、わずか3カ月で天国へ  「 障がいある娘に、生きてほしかった!」

●人は信用できる! ~ 職場実習のお願いに行って ~
・実習で生徒が大きく成長する
    同時に、事業所の方も変わる
・薬師寺、春日大社  ~世界遺産と共に歩む~
    「気軽に遊びに来てください」 「入場料はいいですよ」
・「人は信用できる!」 ~世界観が変わる~
   副知事・県幹部、市長・町長、事業所トップとの出会い
     → あたたかい  「自ら決める」 責任と覚悟がある 
●PTAのみなさんと共に
~生徒たちの “今” と “未来” のために!~ 
 ・一緒に、社会参加と実習先の開拓を!
   県・県教育委員会・ならチャレンジド3者は、 今年度から協働で取り組みます

【感想】

ビル管理会社・株式会社シティサービスの代表取締役という、お忙しいお立場にありながら、NPO法人ならチャレンジドを立ち上げ、障がいのある子どもたちの実習先や就労先の新規開拓に日々、熱心に取り組んでいる姿を拝見し、「赤川さんのパワーの源は、何だろう?」「どうして、こんなに一生懸命、障がいのある子どもたちのために取り組んでくださるのだろう?」という疑問が、心のどこかにありました。
 ずっと以前、「どうして、赤川さんは、そんなに一生懸命取り組んでくださるのですか?」と質問を投げかけたことがありました。
 その返事は、「楽しいから!」でした。「楽しい?!」“楽しい”ってどういうことなんだろう?
ますます、わからない・・・。
 その疑問は、総会での講演会で初めて知ることになりました。
 それは、赤川さんの子ども時代にさかのぼり・・・。生きている価値がないと思っていた子ども時代。大学生の頃に不登校に。その頃に障がい者との初めての出会いがあり。・・・
その後、結婚され、生まれたばかりの娘さんに先天性の心臓病があると宣告を受け、3ヶ月で天国へ・・・。「娘との別れは、生命の大切さを教えてくれた。今まで、自分が生きる価値がないと思っていたことが、とってもちっぽけなことに見えた。何よりも、娘が生きていてくれる・・だけでよかった。」
今まで見たことのない、赤川さんの・親としての顔。私たちと同じ想いを持つ方なんだと・・・。
「楽しい!」障がいをもつ子どもたちが、生き生きと活動できる場が広がることは、・親として本当に“楽しい!”ことですね。
『障がいをもっていても、誇りを持って生きていくことは、その子にとって価値あること!』
『実習先の開拓もあきらめないで、何度でもアタックする!その熱意が伝わったとき、門戸が開かれる。』 ですね。

県立奈良東養護学校PTA

これまで“こころ”にためていたことが、安心して、自然に語ることができました。私にとって、大きな“節目”です。奈良東の保護者のみなさんのおかげです。ありがとうございます!
現場で子どもたちに出会うことが大好きです。小さなことが“ひとつ”“ひとつ”積もっていきます。実は、その小さなことが、とっても大きな財産なのですね。
人との出会いで、子どもたちが別人のように変わる!自信をつけていく。また、子どもたちに接したその“人”が変わっていく!誰もが“力”を秘めている。
これが職場実習・社会参加の現場で感じる“醍醐味“です。そこに身をおける幸せを実感しています。これまで、人に言えぬ、しんどい思いをしてきたがゆえにそれぞれにとって“出会い”が運命的なのでしょう。

NPO法人 ならチャレンジド