活動日記  

県・県教育委員会・ならチャレンジドの恊働事業「地域社会で生きる!」特別支援生徒の社会参加および就労支援

活動日誌 2011年 12月

2011年(平成23年)10月27日、11月15日、12月1日

県立奈良東養護学校 就労講習(木工授業)

【講師】:木工師 藤田茂斉さん



生徒の感想   (直筆)


1.木工師、藤田茂斉(しげきよ)さんとの出会い
 昨年、本校の雨天作業所工事が行われた際、現場監督に来られていた山中さんと私(小嶋)の立ち話がきっかけでした。山中さんの娘婿にあたる方が木工師をされており、本校での木工細工の参考になればと紹介していただきました。
調整をし、昨年末に工房を訪問し、木工作品を見学してきました。その際、本校の生徒の実態についても話が及び、機会があれば指導をお願いする可能性も示唆して訪問を終了しました。 上述のいきさつから、今回の講義依頼に快諾いただきました。
2.授業の様子
 藤田さんと、生徒たちの実態について再度打ち合わせを行い、テーマは「基礎から学ぼう 道具の使い方と手入れについて」を設定した。
 ①受講クラス
  ・2年1組 7名
  ・2年2組 8名   ・3年1組 7名

 ②内容
  ・ノコギリの正しい使い方を学ぶ。
  ・差し金で墨つけの仕方を学ぶ。
  ・刃物(ノミ)の研ぎ方を学ぶ。
  ・研いだノミでほぞ穴を開けてみる。

③生徒たちの感想
     ※別紙参照

3.講義を終えて
 授業は、同じ内容で計3回行った。近年高等養護部の木工の授業で木を切る際は、電動ノコギリを使っており、ノコギリは近年使用していなかった。理由は、学部にあるノコギリの刃こぼれがひどく、使用できない状態にあることが主たる理由であった。また、ほぞ穴を開ける際に使うノミも、研いだ事がなく切れない刃だったために機械で穴を開けていた。今回、本校木工室で事前打ち合わせた折りに、工具の保管や手入れの仕方、使い方について私自身が藤田氏より学ぶ機会を得たことが、とても有り難かった。
 プロの目からみた整理整頓の仕方や、揃えるべき道具の種類についての事前指導を受け、木工室の環境整備にとりかかった。結果、切れる道具は切れ味がよく、今まで力任せに切っていた様子とは大違いで、今回の講義で、生徒たちは程度の差こそあるものの、初めて切る楽しさやおもしろさ、さらに切れ味を維持する大切さ、ひいては道具の大切さまでを感じ取ったのではないか、と感じている。
 生徒たちの印象も同様で、再度藤田氏の講義を受けたい趣旨の声が多く、今後機会があれば設定したいと考えている。


県立奈良東養護学校 高等養護部  小嶋 一祥 教諭


~社会人(プロ)の気迫と技術を学ぶ!~
木工師・藤田茂斉さんの就労講習(授業)を見学させていただきました。
「場の空気が一瞬にして変わる!」長年培ってこられた藤田さんの気迫が伝わってきます。3時間の授業がとても短く感じられ、生徒たちの集中力には敬服しました。教師も楽しく、イキイキと講師と生徒のコーディネート役をされていました。
砥石を磨くことを初めて知りました。寒い屋外で、まず、砥石を磨き、その後、ノミを集中して黙々と研ぐ生徒たち。ノミがピカッと光ってくるにつれ、「これを使ってみたい!」と自然に声が出る生徒たち。そのノミを使って、板にほぞ穴を完成させたときは、全員で拍手。
藤田さん(講師)・教師・生徒3者が織りなす、素晴らしい講習(授業)でした。
ありがとうございます。


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