活動日記  

県・県教育委員会・ならチャレンジドの恊働事業「地域社会で生きる!」特別支援生徒の社会参加および就労支援

活動日誌 2011年 12月

2011年(平成23年)12月17日

奈良県識字合同学習会

主催:奈良県教育委員会 
場所:御所市アザレアホール
【司会】:高等養護学校2年生2名
【受付】:大淀養護学校3年生・高等養護学校1年生



高等養護学校2年生(司会)の感想


識字合同学習会(第10回ふれあい広場)を終えて

昨年12月17日に開催した識字合同学習会は、県内の識字活動のさらなる発展と充実を図ることを目的とした事業で、識字学級等で学ばれている方々の作文発表や作品の展示等を通して県民との交流を行っています。
 10回目の開催を迎える今年度は、「この学習会を特別支援学校の生徒の皆さんの社会参加の場にもしていこう」という提案があり、その方向で案を練りました。早速、NPO法人「ならチャレンジド」にコーディネートをお願いし、高等養護学校から3名、大淀養護学校から1名計4名の生徒の皆さんが学習会の運営に参加してくれることになりました。
 当日の司会は、高等養護学校の2人の生徒が担ってくれました。2時間に及ぶ学習会の進行は、大人の私たちにとっても大役です。明るく元気な2人でしたが、さすがに開会時刻が近づくと、緊張のせいか言葉数が少なくなりました。しかし、幕が上がると様子は一変。実に堂々とした態度で会を進行していきます。途中、思わぬ事で打ち合わせ通りに進行できない場面がありましたが、2人は全く動じることはなく、誠実でさわやかな語り口は、最後まで変わることはありませんでした。元気いっぱい若さがあふれた2人の進行のおかげで、会場は終始和やかな雰囲気に包まれていました。
 一方、受付では、高等養護学校と大淀養護学校それぞれ1名の生徒が活躍してくれました。2人には、参加者の名前を聞き、資料の入った封筒を渡す仕事をお願いしました。最初は、来場された方に声をかけるタイミングがつかめず戸惑っている様子がありましたが、同じ受付を担う大人からアドバイスをもらい、とびきりの笑顔と大きな声でたくさんの参加者を出迎えてくれるようになりました。参加者には高齢の方も多くおられました。孫のような世代の2人に迎えられると、思わず笑みがこぼれます。資料を手渡されると、「ありがとう」と言葉を返される場面も見られました。仕事を通して、新たなつながりを結んでくれた頼もしい2人の働きぶりでした。
今回、特別支援学校の生徒の皆さんが運営に関わってくれたことで、識字合同学習会には、新たなふれあいとつながりが生まれました。今後も、いろいろな場面でこのような機会を創り続けていくことが、人権文化の創造につながる取組と考えます。すべての役割を終え、舞台に並んだ4名の生徒の皆さんの晴れ晴れとした表情に、人と人がふれあいつながることで生まれる力の大きさを感じました。
 最後になりましたが、当日まで生徒の皆さんの支援をしていただいた各校の先生方、また、コーディネートにご尽力いただいた「ならチャレンジド」の皆様、本当にありがとうございました。


奈良県教育委員会事務局 人権・社会教育課 田中 圭子 指導主事


奈良県教育委員会人権・社会教育課の提案・依頼により、生徒たちは司会、受付係に参加しました。 司会役の生徒たちは、学校で繰り返し練習をおこない、当日、堂々と司会の大役を担い、受付係の生徒たちも元気よく参加者を迎え入れてくれました。 識字教室で学ぶ方々が発表する一つひとつの言葉に心が打たれます。「生きる原点」を感じます。 人権・社会教育課のみなさま、有意義な機会をいただきありがとうございます。


NPO法人ならチャレンジド