活動日記  

県・県教育委員会・ならチャレンジドの恊働事業「地域社会で生きる!」特別支援生徒の社会参加および就労支援

活動日誌 2012年 1月

2011年(平成24年)1月29日

~奈良県障害者芸術祭 HAPPY SPOT NARA~

見えない人との美術鑑賞ワークショップ

「見えない人が見える人のメガネになる!?」
奈良県立文化会館



美術鑑賞ワークショップ
~「ミュージアム・アクセス・ビュー」さんのパンフレットより掲載~

◎会話しながら作品鑑賞をします。見えない人/見えにくい人も、アートを楽しむことができます。
見える人も、いろいろな意見や感想を聞くことで、いつもとはちょっと違った鑑賞ができます。
  1.3人ひと組で作品を鑑賞します。
    (見えない人/見えにくい人1名、見える人2名)
  2.会話をします。
    (見える人は、作品に描かれているものや印象を伝えます。)
    (見えない人/見えにくい人は、質問をします。)
  3.鑑賞後はグループごとに感想を言います。

 ◎鑑賞の4つの「しない」ルール
  1.静かに鑑賞しない。
    (おしゃべりしながらの作品鑑賞を楽しみましょう)
  2.見える人は一方的な説明をしない。
    (自分の声や相手の声、作品の声を「聞く」ことを忘れずに)
  3.見えない人/見えにくい人は聞き役に専念しない。
    (見える人に、どんどん困らせる質問をしましょう)
  4.全てをわかり合おうとしない。     (むしろ感じ方の違いを楽しんで、気軽に鑑賞しましょう)
思いがけないところへ会話が飛んでいったり、発展したり、脱線もOK。新たな発見や、忘れていた感情を思い出すことも、アートの楽しみのひとつです。


新しい発見!楽しい美術鑑賞


Oさん、Nさん、私の3人で美術鑑賞をさせていただきました。
これまで経験したことのない充実感、楽しさでいっぱいの美術鑑賞でした。パートナーのお陰です。
現代アート10組が展示されていて、「困った、困った」が私の開口いちばんの言葉でした。どのように説明すればいいのかと・・・戸惑いの連続で、私は自分の感想や印象をまず口にしていました。その点、Nさんは作品の展示位置、大きさ、全体の雰囲気等を上手に説明されていました。
ろうけつ染めの作品が転機となりました。
Nさんと私が交替で作品の大きさ、色、形等を説明するのですが、説明すればするほどわからなくなります。しかし、Oさんから次々に質問されるごとに、3人の会話がうまく絡まり深まっていきます。
そんな折、Oさんに「それは宇宙を旅する風景ではないでしょうか」と教えられ、Nさんと私は「そうなんや!」と。この瞬間、“3人がひとつになった!”うれしさを実感しました。
“3人でひとつの世界を獲得していく”―そんな心情です。
Oさんの言葉「私が見える人のメガネになったんやね!」がこころに響いています。
これ以降、3人はお互いに感じたことを率直に交換でき、とても充実した“時”を過ごせました。
ワークショップ終了後、Oさんと私は、電車で途中駅までおしゃべりを楽しみながら帰路につきました。
新しい発見!楽しい美術鑑賞を体験させていただき、ありがとうございます。


NPO法人ならチャレンジド 赤川 義之


報道関係「毎日新聞」2012.1.30