活動日記  

県・県教育委員会・ならチャレンジドの恊働事業「地域社会で生きる!」特別支援生徒の社会参加および就労支援

活動日誌 2012年 11月

2012年11月18日

就労学習会

~あなたと一緒に、子どもたちの就労にむけて取り組みます!~
 ●県営福祉パーク研修室

●主催:NPO法人ならチャレンジド

【講師】:県立高等養護学校 進路部長  辻 善文 教諭
     「今、就労にむけ準備すること」
     NPO法人地域活動支援センターぷろぼの広域事業部長 小島 秀一 氏 
      「自立にむけて」



■森安英憲さんの感想および当日の質問への回答
(積水化学グループ・立積住備工業株式会社取締役管理部長)

「人はひとりひとり、等しく大切で、すべての人が特別扱いされる社会。そんな社会には、障害がない」
これが私の思いのすべてです。
障害者理解、障害者支援、障害特性、障害への配慮、障害者雇用、障害者福祉・・・
私はこれらすべての言葉から、「障害」という文字を削除したいです。
例えば「障害特性や障害の程度を知らなければ支援できないだろう」と言われるのですが、「障害」ということだけに焦点をあてることに、どれだけの意味があるのだろうか?ということです。
人としてつきあっていく中で、その人についていろんなことがわかってきます。そこには、性格からくるものもあり、障害からくるものもあります。
障害からくるものを障害特性と呼び、配慮が必要であると言います。では性格からくるものには何の配慮もいらないのかというと、そんなことはなく、「彼は怒りっぽいから、こういうものの言い方をしたほうがいい」など、つき合いかたがありますよね。
私はひとこと「ちがい」だと表現しています。すべての人はちがいを持っている。すべての人に理解は必要で、すべての人に支援は必要で、すべての人に特性があり、すべての人に配慮がいり、雇用はすべての人を対象とし、福祉(幸せ)はすべての人のためにある。私はそう思います。
私たちの会社が、障害特性も知らずに障害者の雇用をしているのは、日々つき合う中でその人を人として知って、人として対応していくことが、配慮となり支援となることを、経験的に知っているからです。そして実はそのプロセスでは私たちも同じだけ成長させてもらっています。
会社の根幹業務に、精神障害の未経験者を雇用したという話をしました。1年後に、仕事は標準化が進み、共有化が進み、彼女たちができる仕事になった。
この話から「彼女たち」を消せば、それは日本の企業が当たり前に取り組んでいるはずの「改善」というものなのですが、なぜか、障害者がからむとそれは、「障害への配慮」と言われるのです。
その人にしか通用しないものであれば、それは「障害への配慮」かも知れませんが、誰もがやりやすくなることは、「改善」(本来の企業活動)であり、「障害への配慮」ではありません。
しかし、そこに気づけるには、「ともに働く」「ともに暮らす」という経験が必要です。
従って、「ともに働かない」「ともに暮らさない」社会には気づきがなく、本来の「改善」がなく「誰もが当たり前に暮らせる社会」ではなく、実は誰もが働きにくく誰もが暮らしにくい社会です。これはみなさんの実感でもありますよね。
「障害者が暮らしやすい社会は、すべての人が暮らしやすい」
本当はそうではありません。「すべての人が暮らしやすい社会には、障害という言葉がない」のです。
それから、就労支援について。就労支援は、就職支援ではありません。ひとことで言えば、人生を支えることです。
就職は難しいが、続けることはもっと難しいです。支援学校を卒業して1年後に、どれだけの人が続けられているのでしょうか。
また、やめてしまった後の再起は、もっと難しいです。仕事を通じて人生を支えていく。そのために、私たちができることは何だろうか。それが就労支援であり、ならチャレンジドほか、多くの人たちがやっていることです。
一般就労と施設就労という区別(というか、価値観)もなくしたい。その人が生き生きと活動できる場が、世間的には一般企業とか、福祉施設とか呼ばれているだけのことであり、そんなことは当人にとっては関係のないことです。
それは「一つ」であり、オープンで融合したものにしていきたい。
以上、私の思いは、ごく当たり前で、いつも目の前にある、いちばん簡単なことです。




講師2名から具体的な内容を教えていただき、45名の参加者は熱心に聞き入りました。その後、参加者からの質問や意見が出され、就労について更に深めることができました。今後も学習会を開催していきます。

NPO法人ならチャレンジド