活動日記  

県・県教育委員会・ならチャレンジドの恊働事業「地域社会で生きる!」特別支援生徒の社会参加および就労支援

活動日誌 2020年 10月

2020年10月26日

市町村人権・同和問題「啓発連協」学習会

・2020年10月28日 ・市町村会館大ホール
【講師】風谷篤紀さん(県立医科大学障害者雇用推進係員)
    岡山弘美さん(県立医科大学障害者雇用推進マネージャー)
【演題】障害のある方と共に働く ~発達障害当事者からのメッセージ~



 障害者就労について、発達障害のある本人と支援者から現場の生の声を直接聞く学習会が開催され、約50名の県内市町村職員さん等が参加されました。
 医大病院の風谷篤紀さん(発達障害のある係員)、岡山弘美さん(障害者雇用推進マネージャー)お二人の深い信頼関係が感じられる、掛け合いによる具体的な場面、心境等の講演でした。
 上司(指示を出す人)の無理解、誤解が障害のある人をしんどくさせていることを改めて痛感しました。障害者就労を推進するために、変わるべきは上司です。
 風谷さんは採用されたとき、手が震え「体中に電気がとおる、うれしい気持ちでした」と、当時の感動を語られました。岡山さんと出会って初めて「わからないことは聞いてください」と言われ、驚くとともに安心感を持たれたそうです。それまでは質問すると怒られ、以来、わからないことは聞けなかったのです。また岡山さんは言葉だけではなく、具体的な作業方法(見本)を教えてくれるので、わかりやすいとのことです。職場では、ややもすると何も教えないで「自分で考えて、しなさい」と言っている場合があります。
 風谷さんにとって悲しい支援者は、①頭ごなしに怒る ②短気 ③偉そうな人 ④行動を監視する人 ⑤体をベタベタさわる人 だそうです。
 「その人は何気ない気持ちで言っているかもしれませんが、私にとっては刃物でズタズタにされるようなものです。けっして“愛のむち”ではありません」と締めくくられ「私は腰を低く対応することが心情です。今後もよろしくお願いします」と、最後に発言されました。
 岡山さんは、この間、障害のある係員と建前ではなく心から本音で関わり、本人が答えを出すまでじっと待ってこられ、係員が成長する姿に共感している姿がにじみでていました。事前に仕事の見通しを伝える、適度な距離感、上手くいかない際は環境を変える等の柔軟な対応をされています。
 「係員は抽象的なこと、臨機応変は苦手な方が多いけれど、そこが魅力的なんです」とおっしゃる岡山さんのその姿こそが“魅力”です。
 岡山さんがこれまで努力、苦労をされて、初めて風谷さんとの深い信頼関係が築かれ、その信頼関係が風谷さんの安心、成長へとつながっているように思われます。
 講演後、14名の方から質問票が提出され、風谷さん、岡山さんが一つひとつ応えられ、更に内容が深化、共有されました。
 なお講演会前、森田浩司「啓発連協」副会長(三宅町長)と風谷さん、岡山さんは懇談されました。
 市町村人権・同和問題「啓発連協」のみなさま、ありがとうございました。

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