2011年 職場実習
2011年(平成22年)7月11日~13日【県立奈良東養護学校 高等養護部3年生】
県立奈良病院 職場実習(看護補助)
~県内初・特別支援学校生徒が医療現場で実習~
「福祉くらしコースの新設をめざす奈良東養護学校」
看護補助業務:ベッドメイキング、タオルたたみ、食器洗浄、カルテ・検体搬送等
山上 航平君
横山 久美子 副院長兼看護部長
山上航平君 お礼状
ここはいいところだと思う。
ベッドメイキングは難しかった。
「真面目だ」「仕事の覚えがはやいなぁ」と職員にほめられた。
山上航平君
すごく素直な子です。びっくりするほど素直です。
どんなことにも意欲的です。
看護師長さんから「指示は一度にたくさんしないでひとつずつして」「声を大きくかけて解りやすく教えて」と指示があったので、その通りにしています。
看護補助の職員さん
山上君は何事にも熱心に取り組み、1年生から販売や製造の現場、2年生で介護体験や清掃、ベッドメーキングの体験など、いろいろな職種の経験をつんできました。今回の病院での看護補助の職場実習でがんばる姿を見て、今までの実習が力になり、身についていることを実感しました。
今回の医療現場での実習は初めての場所でしたので、学校としてもいろいろ不安もありましたが、スタッフの方が親切丁寧にご指導いただく姿を見て安心いたしました。
奈良東養護学校高等養護部は来年度から「福祉くらしコース」を新設する予定です。今回の実習はそのコースの内容の充実に向けても、私たちにヒントを与えてくれましたし、生徒にとって、今後の様々な社会参加に向けて、また新たな一歩が踏み出せたのではないかと感じています。
奈良東養護学校 高等養護部 担当者
特別支援学校生徒が、ここ奈良病院売店での職場実習や清掃で働いている姿を見ていたので実情は知っていました。
病院でできることは積極的に受け入れようと考えています。新病院建設のコンセプトは「温もりのある病院」です。特別支援学校生徒と共に働くことで、スタッフが気持ちのやさしさ、協力しあうあたたかさ、心のふれあいを感じてもらえればと思っています。
まず、受入れにあたり、生徒さんが失敗して自信を失わないように、落ち着いて実習ができる環境を探しました。幸いにして、私ども奈良病院の看護補助さんは人材が豊富なので、きちんと丁寧に教える人がいました。その結果、救命救急センターの一般病棟での実習となったわけです。
スタッフには徹底して、重大な失敗がないように指示を出しました。そのうえで、生徒さんが成長するチャンスをつくりだしましょう!と取り組みを準備してきました。生徒さんは素直でかわいいです。
私は、この4月から副院長兼看護部長となり、病院経営の一端を担うようになりました。「看護の質をあげることは病院の質をあげる」確信をもって、チャレンジ精神で“なんでもやってみよう”の信条で取り組んでいます。
横山 久美子 副院長兼看護部長
新たな世界へ挑戦する県立奈良東養護学校、県立奈良病院が出会うべくして出会った。
奈良東養護学校は、“特色ある学校づくり”の一環で、来年度から「福祉くらしコース」を新設する。奈良病院は、“いい医療をより多くの患者さんへ!”を掲げ、「温もりのある病院」をコンセプトに新病院建設へ動きだす。
実習生・山上君は、毎日、副院長室へ出勤しそれから現場へ。帰りも副院長室で実習日誌を書いてから帰宅する。横山副院長の並々ならぬ決意の表れである。3日間ではあれ、生徒と病院スタッフの“こころ”が通じ合うあたたかい雰囲気に感激する!
6月中旬、中川幸士県医療管理課長へ実習をお願いしてから横山副院長との打ち合わせ・生徒面接・実習へのスピード感ときめの細かさには驚かされる。トントン拍子である。横山副院長の決断力と組織対応には敬服する。打ち合わせでお願いしたことが、現場末端まで徹底している。看護師365人、看護補助等スタッフ80数人の「チーム県立奈良病院
を見せつけられた。「命」を預かる緊迫さ・組織力・使命感の底力を今回の実習の一端から学びたい。
コーディネートと言えば聞こえがいいが、新たな世界へ踏みだした責任感でいっぱいである。
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